元ブラック鎮守府 ss。 のくす牧場 : SS+ 書庫

[B! あやめ速報] 女提督「黒百合鎮守府」 : あやめ速報

元ブラック鎮守府 ss

瑞鳳嫁提督鎮守府 夜 廊下 葛城「ふぁ~ぁ・・・」スタスタ… 葛城 全く。 ウチの提督は口を開けば瑞鳳瑞鳳って・・・作戦にまで私情を持ち込むのはやめてほしいよ 葛城(いつの日か瑞鳳をかばって死ねとか言われるのかなぁ・・・) タシュケント「やぁ、葛城・・・元気してたかい?」 葛城「ッ!?!?」ビクッ タシュケント「おっと、大声を出さないで欲しいな」 葛城「あんた・・・生きてたの・・・?」 タシュケント「あたしがお化けに見えるかい?見ての通りさ」 葛城「だ・・・だとしたらなんで・・・なんで今急に・・・それに、半年も一体どうやって・・・提督に言わないと・・・」 タシュケント「落ち着いて、葛城。 提督にいうのは駄目だ」 タシュケント「それより・・・ついてきてほしい、話があるんだ」 葛城「・・・?ここじゃ駄目なの・・・?」 タシュケント「なるべく人に聞かれたくないんだ」 葛城「わ、わかったわ・・・」 …… …. 瑞鳳嫁提督鎮守府 港 葛城「あれ・・・アイオワ・・・?あなたもここに?」 アイオワ「Oh,カツラーギ、一体ここでなにしてるの?」 葛城「私は・・・タシュケンにここに呼ばれて」 アイオワ「Really? me too. What happening? 」 タシュケント「よし、これで話ができるね?」 アイオワ「タシュケント、talkってなにかしら?」 タシュケント「ああ、そのことなんだけど・・・まず君たちには謝らなくちゃいけない」 葛城「へ・・・?何を・・・?」 タシュケント「本当に悪いと思っている・・・どうか許してほしい」 アイオワ「タシュケント・・・?What are you tal---」 ドガッ アイオワ「ぐっ・・・!?」ドシャッ… 葛城「え・・・?」 ガッ! 葛城「う・・・」 ドシャッ… タシュケント「これも、家族の為なんだ・・・あたしの立場だったら・・・君たちもこうするだろう?」 U-511「さ、運ぶ?」 タシュケント「ああ、今頃アクィラが艤装を工廠から持ってきている頃だ。 あたしとアクィラで荷物を運ぶよ」 タシュケント「お疲れユー。 悪かったね、こんな役させて」 U-511「気にしてないよ、大丈夫。 もうすぐ幸せに暮らせるもんね」ニコッ タシュケント「・・・そうだね」ニコッ…...... 翌日 長門達の基地 青葉「司令官、またしても問題発生です・・・最悪のタイミングですよ」 提督「見つかったか?」 青葉「ですが・・・どうやら彼女たちは・・・ただの運び屋として終わるつもりは無かったようです」 明石「?」 青葉「例の神隠しがあった鎮守府からまた艦娘が消えました。 今回は二名です」 長門「また脱走か?」 青葉「青葉もそう考えたんですが・・・どうやら港で血痕が見つかったようで・・・」 提督「・・・誘拐か」 青葉「だと思います・・・きっと、フリーランスの艦娘の需要が高まってきているのでしょう」 長門「これは大変な危機だぞ・・・食い止めなければ・・・艦娘が深海棲艦以外の存在に銃を向けることとなったら・・・」 提督「わかっている。 青葉、取引場所は分かるか?」 青葉「鎮守府近くの港の監視カメラをすべて調べてみますが・・・海の上で密輸船を使われたら追跡はほぼ不可能ですよ?」 長門「くそっ・・・せめて向かう方角でもわかれば・・・」 青葉「海の上に監視カメラはないんですよ。 難しい注文です・・・」 青葉「何か・・・高速で移動出来て・・・彼女たちを追跡出来て・・・行動を完全に把握できるもの・・・」 明石「・・・ありますよ」 明石「いや、います・・・といった方が正しいでしょうか」 提督「・・・?それは一体どういう意味・・・」 ガチャッ… 加賀「あの・・・ここでよろしいのでしょうか・・・?」 提督「・・・彼女まで巻き込むわけには・・・」 加賀「・・・話は聞いています。 今あなた方が何をしているのか・・・」 加賀「私が来たのは、あの時助けてもらった恩を返すためでもあり、あなた方同様・・・悪が許せない気持ちがあるからです」 加賀「もし、今追い返されたとしてもこのことは決してしゃべりません。 でもどうか・・・」 加賀「私も戦わせてもらえないでしょうか・・・?」 提督「・・・本気なんだな?」 加賀「はい・・・・!」 提督「・・・わかった。 歓迎するよ、君も今日からここの一員だ」 長門「本当にいいのか?あなたの判断に従うが・・・」 提督「彼女の意志の強さは本物だ。 それは、俺たちが彼女を助けに行った時も感じることができただろう?」 長門「・・・ふっ、確かにそうだな」 提督「改めてよろしく頼む、加賀。 歓迎の握手だ」スッ… 加賀「期待に全力で答えます。 こちらこそよろしくお願いするわ」スッ… ガシッ 加賀「あの・・・あなたが前に助けに来てくれた・・・白いコスチュームに身を包んだ人・・・なのよね?」 提督「あぁ・・・そうだが・・・?」 加賀「い、いえ・・・何も・・・ただ、普段の姿にいざ会うと・・・なんだかすごく不思議な気持ちです」 青葉(わかります・・・わかりますよ・・・こういう会話を聞けてよかった・・・) 加賀「まぁ、それだけです。 何か私にできることはありますか?」 提督「よし、実はちょうど君の力を借りたいところだったんだ」 提督「鎮守府を抜け出して、人身売買を行っている艦娘がいる」 提督「しかも、つい先ほど艦娘を直接誘拐した可能性が高い」 提督「いつもは青葉が監視カメラを使って見つけたりするんだが・・・今回は無理だ。 君の索敵機の力がいる」 提督「・・・頼めるか?」 加賀「えぇ、任せて頂戴」フフッ...... このままでも構わないさ」 ボス「取引といこうか?」 タシュケント「うん、時間はかけたくないんだ」 ボス「いい心掛けだ。 金は・・・そこのボートに積んである。 ボートごと持っていけ、サービスだ」 タシュケント「正直あたしたちにボートは不必要なんだけどね・・・まぁ、運びやすくなるからいいか。 ありがとう」 ボス「それじゃ、そこの女二人をこっちに渡してもらおうか?」 タシュケント「ああ、艤装は重いから君たちが乗ってきたその船にあたしたちが積んでおくよ。 その大型船なら艤装を積んでも大丈夫だろう?」 ボス「ああ、俺たちが持っているのかで一番デカい船を持ってきた。 ユー、葛城の方を頼む」グイッ U-511「さ、歩こう」グイッ 葛城「ひっ・・・なに!?やめて・・・お願い離して・・・!」 アイオワ「Please help! Somebody help me! Please!! 」 カルテル・メンバー1「うるさいな・・・すこし黙らせる必要があるか?」チャキッ… ボス「商品に傷を付けたらお前を殺して捨てていくぞ」 カルテル・メンバー1「は、はい!すみませんボス」 タシュケント「それじゃ・・・早く船に行こうか」 葛城「タシュケント・・・なのよね?なんで・・・なんでこんなことをするのよ・・・」 アイオワ「Why・・・?私たちをどうするつもりなの・・・?」 タシュケント「・・・さぁ、仕事だから・・・かな?」 アイオワ「仕事・・・?仕事って・・・?」 U-511「二人が知る必要は・・・ないよ」 アイオワ「そんな・・・お願い・・・助けて・・・すごく怖いわ・・・」 U-511「アイオワ・・・ごめんね。 君たちが最初で最後だから・・・」 ボス「・・・あんたら、これが終わったら足を洗うんだって?」 タシュケント「それがどうかしたかい?」 ボス「ひとつ忠告だ・・・罪からは逃げられない」 ボス「罪に苛まれ・・・きっとまた戻ってくることになるぞ・・・」 ボス「一番楽な方法は・・・罪に慣れ、罪の中に生き続けることなんだからな」 タシュケント「・・・今後もあたしたちに仕事をしてほしいって意味に聞こえるよ」 ボス「バレたか・・・あんたらが仕事をやめちまうもんだから・・・」 ボス「こいつらを運び屋兼兵器になるように色々教えていかなくちゃならなくなっちまったからな・・・つい本音が出てしまったよ」 タシュケント「もともとそのつもりだったんだろう・・・?」 ボス「だが・・・今言ったのは事実だ。 あたまに留めておいてくれ」 タシュケント「・・・」 ボス「余計なお世話だったかな?さ、積み荷を積んだらお別れ-----」 バツンッ ---------------------------------------------- 密輸用大型船 船上 バキィッ! 戦闘員7「ぐぇあっ!」ドシャッ 戦闘員8「見つけたぞ!そこの角だ!こそこそと仲間をやりやがって!」 戦闘員9「撃ち殺せ!」ジャキッ ズガガガガッ! 提督「ぐっ・・・」サッ 提督(やはり銃火器持ち複数相手は厳しいな・・・) ヒュンッ! ドスッ 戦闘員8「ぎゃあああっ!いてぇ!!腕になんか刺さったぞ!!」 戦闘員9「なんだこりゃ・・・!矢だ!矢が飛んできているぞ!」 ヒュンッ! ドスッ! 戦闘員9「ぐああああっ!俺の足があああ!!」ゴロゴロ 加賀『どうですか?お役に立てていますか?』 提督「・・・完璧だ」 --------------------------------------- 港 カルテル・メンバー1「船がずいぶん騒がしいな・・・侵入者は殺し----」 ガッ… カルテル・メンバー1「ぐっ・・・」ドシャッ カルテル・メンバー2「お、おい・・・?一体どうし---」 ゴンッ… カルテル・メンバー2「ぐはっ・・・」ドサッ… U-511「いる・・・すぐそこに何か立ってる・・・」 タシュケント「・・・」 サアァ… ボス(・・・雲が晴れて月明かりが・・・!) 長門「・・・」 ボス「・・・なるほど、暗視ゴーグルに素手か・・・対処できないわけだ」 ボス「だがそれも・・・姿が見えてしまえばおしまいだな?」チャキッ ドゥンッ ギィンッ! ボス「・・・!?」ドゥンッ! ドゥンッ! 長門「無駄だ・・・」キキンッ… ボス「・・・どうなって・・・」 タシュケント「その人は艦娘だよ。 艤装も付けてる、銃は効かない」 ボス「ハッ・・・実際戦ってみると・・・とんでもない兵器だな・・・」 長門「・・・」スタスタ… ボス「・・・欲しかったぜ」 ドカッ… ドシャァ… 長門「鎮守府を抜け出したのに理由はあるのか・・・?」 タシュケント「・・・あたしたちが元居た場所は、ひどい差別があった」 タシュケント「そこの提督は、自分がケッコンした瑞鳳だけを可愛がり、他の艦娘はまるで道具のように扱った」 タシュケント「あのまま居座っていたら・・・瑞鳳の為に死ねと命令されてもおかしくはなかった」 長門「・・・続けろ」 タシュケント「だから・・・鎮守府を出た。 そして・・・生きる道へひたすら向かったら・・・」 タシュケント「・・・ここにいた」 長門「本当に・・・他の道は無かったのか・・・?」 タシュケント「あの提督を説得できるとでも・・・?無理無理・・・無理だね」 タシュケント「あたしたちは、行きつくべき場所に行きついたんだ。 後悔はしていない」 タシュケント「これでも人殺しはしなかったんだよ?ただ海を行ったり来たりしただけさ」 長門「・・・」 タシュケント「君とやりあえば家族が傷付く・・・となるともう、今度こそ選択肢は無いんだろうね・・・」 タシュケント「決死の特攻攻撃だったってのに・・・そう無事でいられるとさすがにショックだよ」 タシュケント「さすがは連合艦隊旗艦・・・といったところかい?」 長門「・・・私だって無事ではなかったさ。 うちのデザイナーが作った防具越しでも・・・長時間の入渠が必要になった」 タシュケント「それってつまり・・・あの時から相当時間がたっているのかな?」 提督「お前は致命傷を負った。 入渠である程度は治したが・・・」 提督「すべては治しきれなかった。 だがそれじゃ足りない。 もっと大きな償いが必要だ」 タシュケント「・・・何?」 提督「お前たちは悪の道に詳しい。 犯罪者の心理、行動パターンをよく理解できる」 提督「そこで、お前らには服役しつつ知識を活かして人助けをしてもらう」 提督「お前らのせいで、艦娘が悪の手に渡るとどうなるのかが広まった」 提督「今後、艦娘を狙った犯罪が増えるかもしれない」 提督「新しい道をやろう、正しい道を。 今まで犯した罪の分、少しでも善に努めてもらおうか」 アクィラ「・・・わかりました・・・」 U-511「・・・」 タシュケント「死刑になるよりは・・・マシなのかな・・・?」 提督「・・・以上だ。 動けるようになり次第、あんたらを刑務所に移す」 提督「戻るぞ、長門」 長門「提督、まだ一つ片づけていないことがある」...... 寝る用意をして一緒に寝ようか」 瑞鳳「うん、それにしても・・・アイオワさんと葛城さん・・・戻ってくるのかな」 瑞鳳嫁提督「たしかにこのままじゃまずいな・・・君を守れなくなってしまう」 瑞鳳「もーっ、私を優先しすぎだよっ!でも・・・それだけ私の事を愛してくれているってことだもんねっ?」 瑞鳳嫁提督「もちろんさ。 さぁ、歯を磨きに行こうか」 瑞鳳「うんっ!」 ザッ... 瑞鳳「えへへ・・・へ?」 提督「・・・」 瑞鳳「き----」 提督「お前は寝てろ」プシュッ プスッ 瑞鳳「うっ・・・」ドサッ 瑞鳳嫁提督「なっ・・・!?瑞鳳!?」 瑞鳳嫁提督「貴様・・・なんのつもり----」 ドゴッ...... 翌朝 憲兵基地前 葛城「あ、あなたが・・・私たちを助けてくれた人?」 アイオワ「Oh、まるでcomic heroね・・・」 提督「正確には俺じゃないがな・・・君たちはもう大丈夫なのか?」 葛城「えぇ、中で事情聴取を受けてたところ。 もう帰って寝たいわ」 提督「無事で何よりだ。 だが、君たちに伝えなくてはならないことがある」 アイオワ「What・・・?」 提督「君らの元へは・・・今度新たな提督が配属されることになった」 葛城「・・・納得だわ」 アイオワ「・・・」 提督「君らにこれをやる・・・」スッ… アイオワ「Wrist watch・・・?」 提督「押すと・・・俺達への救難信号になる。 役立ててくれ」 葛城「なにからなにまで・・・ありがとう」 提督「気にするな。 これが務めだ」 アイオワ「Thank you!これ気に入ったわ!!」ブンブン 提督「気に入ってくれてうれしいが・・・押されないことを祈っているよ・・・」...... 長門達の基地 青葉「今回ばかりは本気でやばかったですね・・・・」 明石「下手すれば世界の危機でした・・・」 提督「未然に防げて本当に良かった」 長門「・・・で、これからはどうするんだ?」 加賀「私ですか?そうですね、この先出来る限り協力していきたいです」 加賀「今いる鎮守府での生活もあるので、あまり頻繁に手を貸せるかは分かりませんが・・・」 明石「加賀さん、あなた用のスーツも・・・作っておきますね!」キラキラ 青葉「明石さん・・・良い顔してますね・・・」ハァ… 加賀「私も・・・ああいうのを着るの・・・?」 明石「不満ですか?」 加賀「い、いえ・・・そんなことは・・・」 明石「なら、決まりですね!またコスチュームを作れるなんて最高ですよ!」 明石「あ、長門さんのコスチュームも直さないといけませんね!腕が鳴ります!」 提督「・・・と、言うわけだ。 駄スレにはタグつけず、スレ評価を。 荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。 類似してるかもしれないスレッド•

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空手部と元ブラック鎮守府

元ブラック鎮守府 ss

艦娘の生き方とは ーー某鎮守府ーー 今日もまた一人……仲間が死んだ。 『戦争は犠牲の上で成り立っている』、誰かがこう言っていた。 ・・・ 『犠牲』…か。 なら、今の私たちは一体どれほどの犠牲を、どれほどの命を捨てて戦ってきたんだろうね。 今日も今日とで皆は海に駆り出される。 そう、ここは通称、『ブラック鎮守府』と呼ばれる場所。 ここでは海に出たが最後、先に待つのは轟沈、死あるのみ。 私は今日は出撃がなかったので、海に駆り出され、沈みゆく運命の仲間達に挨拶を言いに行く。 よかった。 今日はまだ生きていられるんだ… 「頑張ってね」 でもね、言うことなんてたったそれだけ。 だってそれ以上の伝える言葉が分からないから…。 「生きて帰ってきてね」 そんな妄言、言えるわけ無いじゃない。 だって、私たちは兵器、生き残ることが役目じゃないの。 私たちは海に出たらその先には『死』しか待ってはいないんだもの。 彼女たちはみんなうつむいて黙ったり、かすかな声で「うん」とだけしか言いません。 その瞳はこちらを向かず、ひび割れた窓越しに水平線を誰しもが見ています。 自分たちの未来が既に分かっているのでしょう。 すると、大きなブザー音とともに 『出撃準備 出撃準備 出撃するものは艤装を装着し、直ちに集合場所まで来ること』 放送マイクから聞こえる出撃命令。 出撃命令が止むと毎回海軍の行進曲が流れる。 この鎮守府でのこの曲は誰かの死を表しているも同然だ。 彼女たちの肩は震え、目には涙が浮かんでいる。 すると彼女たちは次々に、 「嫌だ!」 「死にたくない!」 「誰か!誰か助けて!」 と、次々に泣き崩れ始める。 …私たちには彼女たちに何もできない。 ただ、見送ることしかできない。 数分後、彼女たちは指定された集合場所へと出て行った。 こうなることは分かっていた。 何度も見てきた。 でも、いつも私の胸は張り裂けそうになる。 ………そして彼女たちは二度と帰ってくることはなかった。 そこを通れば、目を背けたくなるような声や音がいつも聞こえてくる。 「お前のせいだ!お前のせいで作戦が失敗したんだ!」 「アイツを取り逃がしやがって!この鉄クズが!!」 「俺の面子は丸潰れだ!どうしてくれる!!あぁ!?」 「テメェみたいな奴を海に出すのにいくら金がかかってるとおもってんだ!!」 ドゴッ、バキッと鈍く痛々しい音が聞こえる。 悲痛な叫びとともに「ごめんなさい」と何度も謝る声が聞こえる。 吐き出すように怒号が飛び交う。 何分くらい扉の前に立っていただろう?よく覚えていない。 スッと静かに音が鳴り止み、鎮守府からまた一つ、命が消えました。 こんなこと、日常茶飯事なのに…何度も見てきたのに…それでも…耐えられない。 …そう思いながら私は何事もなかったかのように自室へ帰りました。 自室に帰り、私はベッドに横たわりました。 まだ、耳の奥にみんなの叫び声が響いてます。 あの叫び声は忘れられません。 いつまでこのような地獄の日々が続くのでしょうか…? 誰か…助けてよ………。 ……偶然というのは何時起こるのかなんて、分かったものではありません。 ついさっき、司令官から私に出撃命令が下されました。 私の命も、もうこれまでのようです。 …とは言っても私たちの戦いは、出撃というよりも特攻のようなものですが。 出撃する艦娘の艤装に大量の爆弾、いわゆるTNTを積んで敵艦に突っ込み自爆。 …たしかにこの戦い方は敵を一網打尽でき、非常に効率的と聞きます。 でも…それでも……いえ、なんでもありません。 でも、爆弾なんて本当に深海棲艦に効果があるのでしょうか。 にわかには信じられませんが。 …そうです。 次来る娘のために部屋の片付けでもしておきましょう。 とは言っても部屋には何もありませんが。 やっぱり……死にたくないなぁ…… 命の価値 こうして海に出て戦うのも何時ぶりでしょうか。 とても懐かしく感じます。 今、まさに海戦の真っ最中。 どうやらここが私の墓場のようです。 「…!敵深海棲艦!提督、命令を!」 その一言で奴らはこちらに気づいたのか、敵の砲がこちらを向きました。 一直線に向かってくる敵の砲撃。 嵐のように降り注ぎ、一人、また一人と爆炎に包まれて行きます。 私たちは回避に専念しながら必死に無線に耳を傾ける。 『戦況は悪化しているようだな…。 ならば一斉に突撃し、そして敵との距離がゼロになった時に手元のスイッチで自爆しろ。 何を恐れる必要がある。 国のために命を捨てろ。 』 その命令に私も自分の手元の装備を見る。 いつの間に付けられたのか、たしかにそこには見慣れないスイッチがあった。 『いいか。 失敗は絶対に許されない。 もし、失敗なんてしてみろ。 お前達は実験台か、溶解炉送りだ。 いいか、分かったな。 』 一方的に無線は切られ、私たち意識は戦場に戻る。 「そんな……こんなことって…」 「嫌だ…死にたく無い…いやぁ……!」 耳を塞ぎたくても直視してしまう現実。 そんな中、旗艦の人が口を開く。 「…覚悟はできた…?」 旗艦の人も、こんなこと言いたくて言っている訳じゃ無い。 それは分かっている。 でも、今の私たちから見たらあなたは死神にしか見えない。 そう思いながらゆっくりと頷く。 一緒にいる子達もこくんと頷く。 「そう…じゃあ皆一斉にいきます。 合図を出したら敵に突撃。 あとは…分かっているわね…?」 彼女の決心……それを聞いて私は今一度自覚します。 ああ、私たちは今から死ぬんだなと…。 他の皆も決心はつけたみたい。 「いきます。 3……2……1……」 ゆっくりとカウントダウンは始まる。 どうせ死ぬなら一瞬で意識が飛ぶような爆死の方がいいかな…。 そう思っているうちにカウントダウンはピークに達する。 そして…… 「ゼロ!今よ!」 敵の一瞬の隙を見て旗艦の人が叫ぶ。 それと同時に私たちは一斉に敵に向かって突っ込む。 敵との距離は……250メートルくらい。 あと200メートル。 敵は私たちに総攻撃をかける。 一人の体が大炎上し、その場に倒れ込みました。 あと100メートル。 また、一人がバランスを崩して体全体に攻撃を受け、血飛沫と共に吹き飛んだ。 あと50メートル。 あちこちで爆発音。 今度は悲鳴。 私の頭の中は真っ白。 あと25メートル。 右肩に砲撃を受けた。 でも、ここまで来たらもうやるしか無い。 一瞬砲撃が止む。 今しか無いと、その間に全力前進。 あと10メートル。 そして私はスイッチを……… 押しました。 死にたくないなぁ……… 諦め あれから一体、どれくらいの時間が経ったんでしょうか。 私にも分かりません。 ただ、一つだけ分かっている事があります。 …私はもうすぐ沈むと言う事です。 私はあの時、死ぬ事が怖かった。 まだ生きていたかったんです。 私は自爆する寸前に艤装を全て海に捨てて敵艦に投げつけた後、スイッチを押して爆発させた。 だから、許されない事だけど私は作戦に背いたんです。 生きたいというその強い思いが、私をそうさせた。 でも、そんな強い思いも虚しいだけでした。 最悪の状況です。 出撃前に言った予想が的中してしまいました。 やっぱり、爆弾なんか深海棲艦に効くはずなかったんです。 かろうじて敵駆逐や軽巡艦には大きな損害を与えました。 が、重巡や潜水艦には軽い損傷、戦艦には損害は疎か傷一つ付けられない始末。 私の状況はまさに四面楚歌。 絶体絶命もいいところです。 周りを見回せばどこを見ても砲口だらけ。 おまけに私はさっきの爆発のせいで足以外の艤装を無くしています。 ああ、これが裏切り者の末路なんだな、なんて思ったりして。 体はボロボロ、足の艤装の燃料もほとんどありません。 このまま居ても最後にはどうせ沈みます。 沈むのってどんな感じなのかな。 痛いのかな、苦しいのかな、それとも…楽になれるのかなぁ。 キュイイィィィという音が耳元でするのが聞こえます。 今度こそ本当に私は沈んでしまう、そんなことを考えるとなぜか自然と笑ってしまいます。 いっその事、沈むなら楽に沈みたい。 私は沈むことを、死というものを覚悟し、静かに瞳を閉じ、 そして、自分の最期を感じた私はふとこんな事を思いました。 せめて、もう一度だけ、あの頃のように皆で笑いあいたかったなぁ……。 雪の少女 あれから、どのくらいの時が経ったでしょうか。 ここはどこでしょうか。 今の私に見えるのは白い壁、比較的小さな机と椅子、そして私が今寝ている真っ白の暖かくてふかふかの普通の敷布団ぐらいです。 正直、あれからなぜこうなったのか、ここはどこなのか、私には分かりません。 ただ一つ、私は今生きていると言うこと、そのことだけははっきり分かります。 一体、何が起こったのかもう一度思い返して見ることにします。 あのとき、私は確かに『死』というものを覚悟していました。 もはや恐怖なんてものはありません。 むしろ、早く沈めてほしい。 そんな事をも思い始めるほどでした。 敵の砲口が頭に押し付けられ、一瞬で私の頭は吹っ飛ぶ。 そんな状況。 私は一切の希望を捨てて、目を閉じました。 ……………。 どうしたのでしょうか、撃たれません。 「おーい、大丈夫か?もうあいつらはいなくなったぞ。 」 ・・・え? だ、誰でしょうか・・・?恐る恐る目を開け、声の主の方へ視線を向けます。 するとそこには、私に視線を下ろす一人の男の人が立っていました…水面上に。 足に艤装が装着されてる…でも、艦娘じゃ無いみたい… 「って、おいおい。 その傷大丈夫か!?」 そう言われ自分の右肩を見ると、そこからはとめどなく血が流れ、私の右腕は鮮紅色に染まっていました。 なるほど、どうりで先程から体の自由が効かないわけです。 突然、目の前が暗くなってきました。 体に力が入りません。 どうやら出血しすぎたみたいです。 せっかく助かったのに私…やっぱりここで死んじゃうんだ…。 なんて惨めな死に方でしょうか。 私は自分の運命を恨みながら力なく倒れました。 「っと、大丈夫か?」 倒れる途中、私は男に抱えられました。 「まずいな…この出血量じゃ………」 私を抱える男が何か言っていますが、もう私にはそれを聞き取る力すら残っていません。 ただ私は薄れゆく意識の最中、私の中の何かが温かったのを感じながら瞳を閉じ……。 私の意識はそこで途絶えました。 と、ここまでは覚えていますが、やはり何故こうなったのかはどうしても分かりません。 すると、 コンコンコン 『えーっと…食事を持ってきたんだけど…、入っていいかな。 』 扉の向こうから男の人の声が聞こえてきました。 私はそれに「…はい。 」と小さく答えます。 するとしばらくしない内に男の人が扉を肩で開けて入ってきました。 手には丸い盆とその上に湯気立つ和食が乗っています。 「あ…た、食べれる?」 私はあそこにいた時、こんなものは見たことも食べたことがありません。 私はすぐに「はい」と言うつもりでしたが… グウウゥゥ…… 恥ずかしいことに、私自身よりも私の腹の虫の方が腹を空かしているようです。 「あ…食べられるみたいだな。 」 今の私の顔、多分真っ赤です。 「ここに置いておくよ。 」 男の人は私の横に白米を置きました。 「じゃあ、俺は出るから…何かあったら呼んでくれよな。 」 そういうと男の人は部屋から出て行きました。 私は再び男が持ってきたご飯に視線を向けます。 未だご飯からは湯気が立ち昇っています。 恐る恐る私は盆の上に乗っていた木製のスプーンを手に取り、ご飯を掬います。 正直言って、私はこんなもの食べていいのかと困惑しています。 あそこにいた頃、私は暖かいものはおろか、一欠片のパンでも食べられれば幸せな、そんなところにずっと私はいました。 司令官の命令で出撃し、沈んだ仲間すら裏切り、あの男の人に助けられるまでは。 私は、仲間への申し訳なさや恐怖、助けられた喜びや暖かいものを食べられるという幸福感。 私の中で様々な感情が入り混じり、涙がとめどなく流れてきます。 そして一口、泣きながら私はすくった粥を口の中へ頬張る。 おいしい…おいしい……! 涙は止まるどころか滝のように出てきます。 私は泣きながら一口、また一口と次々にご飯を食べ続けました。 なんとなく 男「はぁ…」 リビングの椅子に深く腰掛けているこの男。 今は深くため息をつきながら天井を仰いでいる。 男「どうすっかなぁ…この状況。 」 男は少々乱暴に自分の頭を掻きむしる。 と、そこに 「どうしたです?」 「イライラしちゃよくないのです。 」 「カルシウムがたりてねーです?」 フローリングの床をトコトコと歩いてくる三匹の小人のような生き物。 男「あぁー妖精さん、起きてたのか。 」 「あたりまえ。 」 「おなかすきました。 」 「もう12じすぎてるのです。 」 男「もうそんな時間か。 じゃあ俺たちも昼飯食べるかな。 」 「たべるのです。 」 「てつだうのです。 」 「みんなをおこしてくるのです。 」 男「はぁー食った食った。 」 「たべたのです。 」 「うまかったのです。 」 「おなかいっぱいです。 」 男「ん、もうこんな時間か。 そろそろあの娘の包帯を取り替える時間だな。 」 ー寝室ー コンコンコン 『入っていいかな?』 艦娘「あ、はい。 どうぞ。 」 さっきと比べて明らかに声に明るみが増しているのが分かる。 ガチャッ 男「そろそろ包帯を取り替えに来たんだけど…」シュルシュル… 男「お…血、止まってるな。 」 もうすでに血は止まっていた。 それだけでは無い。 この短時間で傷もかなり回復しているのだ。 艦娘「あ…あの…」 男「ん?」 艦娘「助けてくれたんですよね…こんな私を…ありがとうございます…」 うつむきながらか細い声で喋る艦娘。 その目には薄く涙を浮かべている。 男「そんなの、別にいいってことよ。 俺も驚いたぜ、何かが爆発したと思ったらお前が血まみれで倒れてたんだもんな。 」 艦娘「それで…あなたの名前を…」 男「ああ、俺の名前か?俺は〇〇っていうんだ。 それで、そっちの名前は?」 艦娘「名前、…吹雪…。 特型駆逐艦の1番艦、吹雪です。 」 自分の名前を最後に口にしたのは何日ぶりでしょうか。 あやうく忘れていたところです。 男「吹雪か…なかなか良い名前じゃん、よろしくな。 」 吹雪「え…、その…はい、よろしくお願いします。 」 私はその手を弱々しく握りました。 こんなに暖かい手を握ったのは初めてです。 冷たい手しか握ったことのない私のその手を男は強く、優しく握りしめてくれました。 こんな人が私たちの指揮官だったら…。 なんてつい、夢を見てしまいます。 男「えっと…そろそろ手を離してもらっていいかな。 」 気づけば私は無意識のうちにずっと握っていたようです。 男「それで、君に質問があるんだが…」 ピーンポーン…ピーンポーン…… 突然として鳴るインターホンの音に私の意識は現実に戻されました。 男「ん?なんだ、客か?」 男「はいはい、今開けますよっと。 」 ガチャリ 男「どちらさまでしょ……」 金属製のそこそこ重いドアを開け、訪問者を見上げる男。 しかし、彼の言葉は途中で途切れてしまった。 それもそのはず。 なんと、扉の前に立っていたのは… 憲兵「………。 」 ゴリゴリマッチョの憲兵さんだったからだ。 男「………。 」 パタン…。 相手を確認した男はすぐさま扉を閉めた。 男「俺は何も見ていないぞ…。 」 目頭を押さえながらつぶやく男。 ちょっと泣いてる…。 男「いや…見間違いかもしれない。 きっとそうだ。 よし…」 ガチャリ 憲兵「………。 」 男「」 何度見ても同じだ。 扉の前にはマッチョ憲兵が待ち構えていた。 男(やべぇよ…俺が何したってんだよ…。 ) 憲兵「お前が〇〇だな?」 男「え!?あ、あぁ、そうだけど。 」 憲兵「そうか。 急な話で悪いが、大本営で元帥閣下がお前をお待ちしている。 一緒に来てもらおうか。 」 男「あー、な〜んだ。 大本営に出頭ね。 おーけー、おーけー。 」 男「は〜、良かった。 良かった。 」 男「…………。 」 男「…は?」 男「ちょ、え?」 憲兵「さあ、早く来てもらおうか。 」 男「え?えええぇぇ!?」 ブラ鎮GO! ー大本営ー コンコンコン 元帥「入れ。 」 憲兵「失礼します。 例の男を連れて参りました。 」 元帥「おお、そうか。 では早速中に通してくれ。 」 憲兵「はっ! ほら、早く中に入れ!」 男「ったく…何でこんなとこ来なくちゃいけないんだって…い、痛い!押すな!」 元帥「君が〇〇君か、よくきたね。 まあ、立ち話もアレだから、まずはこれに腰掛けなさい。 」 男「…?あ、あぁ。 こりゃどうも。 」 妖精A「ここがだいほんえい…はじめてきました。 」 妖精B「でっけー…!」 妖精C「なんでよばれたのです?」 男「そ、そんなこと俺に聞かれてもねぇ…。 」 元帥「………。 」 元帥(この男にも妖精が見えるのか…!) 元帥(深海棲艦と戦う男と妖精か…。 ふふっ、面白い。 どうやら、この男にも提督としての素質があるようだな…。 ) 男「それで、話って何なんだ?出来れば早めに終わらせてほしいんだが…。 」 元帥「話というのも、君に頼みたい事が一つあってだね…。 」 男「頼みたいこと?軍のトップが一般人の俺に何の頼みだ?」 元帥「これは、君にしか頼めない事なんだ。 聞いてくれるか?」 男「まぁ、そんなに難しい話じゃなければ。 」 元帥「うーむ、話せば長くなるんだが……」 かくかく…しかじか… 男「なるほど、つまり…」 男「今、あんたたち海軍は深刻な人手不足に陥ってて、どうしようもないって時に、」 男「偶然、提督資格者で深海棲艦を撃退した『一般人』の俺にこの話を持ちかけたわけだ。 」 元帥「つまり、そうなっちゃうね。 」 男「…本気か?」 元帥「もちろん、本気さ。 」 男(マジかよ…。 ) 元帥「で、返事は?」 男「もちろん、却下だ。 」 元帥「あ、やっぱりね。 」 男「大体、そんなことやって俺に一体なんのメリットがあるんだよ。 」 男「招集理由もしょうもないし。 なんだ人手不足って、全部そっちの責任じゃねぇか。 」 男「くっだらねぇ。 俺はもう帰るぞ。 」 そういうと男は勢い良く立ち上がり、ドアノブに手を掛ける。 妖精A「え…〇〇さん…」アタフタ 男「じゃあな。 」 元帥「深海棲艦の撲滅。 」 突然、元帥が呟くように放ったこの一言。 男「……何?」 その言葉が彼の耳に入った瞬間、その手は止まった。 脳内に蘇る惨劇。 元帥「提督になれば少なからず艦娘と共に奴らと戦うことになる。 」 元帥「しかも君、話によれば深海棲艦をかなり恨んでいるそうじゃないか。 」 元帥「どうだ。 君とっても私達にとっても損は無いと思うのだがね。 」 男「その話、誰から聞いた…!」 元帥「さあね。 君がこの話に乗ってくれればそのうち分かるんじゃ無いか?」 男「………。 」 男「よし、いいだろう!その話、乗った!」 元帥「おお、そうか、そうか。 感謝するぞ。 そうと決まれば早速鎮守府へ向かって欲しいんだが、今日はもう遅い。 」 元帥「日を改め、明日にでも鎮守府に向かってくれ。 迎えの車は君の家へ向かわせよう。 」 男「お、そうか。 じゃあ俺たちはそろそろ…。 」 元帥「ああ、そうだった。 大事な所を忘れていた。 」 男「なんだ。 まだ何かあったのか。 」 元帥「まぁ、そう慌てるな。 君が着任する鎮守府なんだが、本来なら艦娘達が迎えてくれるはずなのだ。 」 男「ふーん。 それで?」 元帥「…そこの鎮守府の艦娘は少し違ってね。 」 男「少し違う?違うって、どう違うんだ?」 元帥「彼女達は人間を憎んだり、恐れているのだよ。 」 男「はぁ、そりゃなんで?」 元帥「どうやら前の提督にかなり酷い扱いを受けていた様でね。 彼女達と接触する時には十分気をつけてくれ。 」 男「なるほど、了解。 」 元帥「そういえば、君の家には今保護している艦娘がいたね。 」 男「ん?あ、あぁ。 吹雪のことか。 それがどうしたんだ?」 元帥「その娘は君が着任する鎮守府に所属していた艦娘だ。 」 男「つまり、俺が着く鎮守府の詳しいことについては吹雪から聞けと。 」 元帥「そういうこと。 それじゃ、明日からよろしく頼むよ。 」 朝の光眩しくて ー翌日ー チュンチュン…チュンチュン… 男「ん…もう朝か…。 」 プー! プップー! やかましいクランクションの音が部屋じゅうに響く。 そういえば、元帥が迎えの車を送るとか言ってたっけ。 それにしても近所迷惑だっつうの。 男「よっこらせっと。 」 ゆっくりと体を起こし、伸びをする男。 男「さて、まずは妖精さんを起こしに行かないとな。 」 吹雪「あ、あの、おはようございます。 」 男「ん、あぁ。 おはよう。 早いんだな。 」 吹雪「えぇ。 あの、昨日はありがとうございます。 」 男「ん?何が?」 吹雪「私、あんなに温かい食べ物、久しぶりに食べて…。 」 男「え、マジかよ。 」 男「ま、まあいい。 そうだ、吹雪。 妖精さん達を起こすのを手伝ってくれないか。 」 吹雪「はい。 いいですよ。 」 吹雪「………。 」 吹雪「あ、あの!」 男「ん?どうした。 」 吹雪「ありがとうございました。 私を助けてくださって…。 美味しい食事を食べさせてくださって…」 吹雪「それから…、えっと…」 男「…吹雪。 」 吹雪「はい…。 」 男「その続きは…鎮守府に着いてからにしようか。 」 男「それに、俺も吹雪に言いたいことがあるからな。 昨日、まんまと元帥の手口に乗せられた俺は、人里離れた鎮守府に着任することになった。 …そこは、数週間前の深海棲艦による襲撃によって鎮守府は完全に機能しなくなったらしく…、 吹雪を除いた艦娘たちは消息不明…。 そこの指揮官は逃げ出したのか、行方は未だに掴めずのまま…。 そのまま軍はろくな調査もせずにその鎮守府を放置。 うん…。 絶対にヤバイやつだわこれ。 提督「全く、何考えてるんだか・・・。 」 提督「まぁ、悩んでても仕方ないか…。 」 ー鎮守府前ー 提督「ふぅ…。 結構遠かったな・・・。 」 妖精A「かなりこたえました・・・。 」 提督「…それにしても・・・。 」 コオオォォォォ…… 提督「ひどいな…。 ボロボロだ…。 」 提督「話には聞いてたけど、まさかこれ程とはな…。 」 提督「仕方ない…、行くぞ。 」 吹雪「あ、はい!」 提督「………。 」 正直な所、頭が痛くなって来た。 いろんな意味で。 あの元帥の口車にまんまと乗せられた俺も俺だが、これは無いだろう。 鎮守府は、建物としての形こそ保てているものの、窓ガラスのほとんどが粉々に割れている。

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[B! あやめ速報] 女提督「黒百合鎮守府」 : あやめ速報

元ブラック鎮守府 ss

vip2ch. 57 ID:xOkl73l3o 電「司令官さん、なんか重要そうなお手紙が届いているのです!」 提督「なんだなんだ?」 『某鎮守府提督へ。 戦いのほとんどを艦娘に任せて久しい現在、それらを指揮する提督の危機感が弛んでいるとの報告を受けた。 そこで、実態を知るべく我々大本営はとある催しを用意した。 それが『鎮守府脱出作戦』である。 提督たるもの、迫りくる艦娘を退け、見事24時間以内に鎮守府から脱出してみせよ』 提督「………………どういうことだ?」 電「ちなみに、複数の艦娘にはこんな内容の手紙が送られていたのです」 『某鎮守府に所属する艦娘へ。 提督のこと24時間だけ好きにしていいよ。 ただ提督を鎮守府の外に出さないようにね。 47 ID:xOkl73l3o 電「要は司令官さんは24時間以内にこの鎮守府を脱出することが目的で、手紙を貰った特定の艦娘は司令官さんをこの鎮守府から出さないことが目的なのです」 提督「ということは、この催しを知らない奴もいるということか」 電「そんな人達を脱出に協力させるのもアリなのです」 電「ただその特定の艦娘に捕まると…………その捕まえた人達に何をされるか分からないですが……」 提督「お、おい……流石に殺されたりしないよな?」 電「大丈夫なのです!後遺症が残るほど過激な事はしちゃダメだって追って手紙が届いたのです!」 提督「よかったぁ……でも拉致監禁とかされたら大幅なタイムロスだな」 電「その辺もなんとか頑張ってほしいのです。 17 ID:xOkl73l3o 提督「(よし、協力してもらおう)」 提督「榛名、ちょっと外にでかけないか?」 榛名「えっ!今からですか?」 提督「ああ。 54 ID:xOkl73l3o 荒潮「提督~ちょっといいですかー?」 提督「なんだ荒潮か。 28 ID:xOkl73l3o 加賀「2人でシフォンケーキを焼いたんです。 87 ID:xOkl73l3o 蒼龍「え、なになに加賀さんお菓子作ったんですか!?」 加賀「ッ、に、二航戦…………」 蒼龍「私も食べていいですかー?」 荒潮「ええ。 ケーキは1ホールあるんですし、歓迎です。 57 ID:xOkl73l3o 一同「いただきまーす!」 提督「うおっ、美味いなぁ」 榛名「美味しいです!荒潮ちゃん、うまく焼いたんですね!」 荒潮「私はただ混ぜただけで、焼いたり分量を量ったりしたのは加賀さんですよ」 加賀「混ぜ方も重要よ。 91 ID:xOkl73l3o 提督「いやぁ美味しかったぞ。 73 ID:xOkl73l3o 榛名「ていっ!!」トスッ 蒼龍「ガッ……あ、うぅ…………」ドサッ 提督「首筋にチョップ…………良い動きだった」 榛名「…………提督、お誘いはありがたかったのですが、今日はちょっと榛名は一緒に行けません」 提督「え?」 榛名「蒼龍さんには色々教える必要がありそうですので。 10 ID:xOkl73l3o 朝雲「ほらさっさと執務室に戻って仕事する!」 提督「(どうやら朝雲は知らないようだな……ああ良かった……)」 提督「ちょ、ちょっとまて朝雲!今日の分の執務は終わってるんだ。 17 ID:xOkl73l3o 提督「(朝雲を仲間にしたはいいが、馬鹿みたいに廊下を騒ぎながら行くのはマズい)」 提督「(ここは迂回していくか……どうせ残り時間は23時間くらいだし、ゆっくり行こう)」 朝雲「司令、正門はこっちよ?」 提督「ああ……ちょっと寄りたい所があってな。 39 ID:xOkl73l3o 提督「酒保だよ。 59 ID:xOkl73l3o 連取りはコンマ以外はナシでお願いします 朝雲「いつもの酒保ね」 提督「ああ。 97 ID:xOkl73l3o 大和「あら、提督じゃありませんか」 提督「お、大和か。 71 ID:xOkl73l3o 提督「(あまりにも簡単に行きすぎだ…………本当にこのまま出ちゃって大丈夫なのか?)」 朝雲「(にしてもデートかぁ……どこに連れてってくれるのかしら。 80 ID:xOkl73l3o 提督「(そういえば榛名ともデートの約束してたが…………今日は行けないって言われちゃったしなぁ……)」 提督「(残念だが、また今度誘うか。 59 ID:xOkl73l3o 提督「とりあえず鎮守府の外に出よう。 な!」 鬼怒「はーい!」 朝雲「うぅぅぅぅ…………2人きりじゃないなんてぇ……」 スタスタスタ ポトッ 提督「?(鎮守府の外に出た瞬間上から紙筒が落ちてきた)」 『某鎮守府提督へ。 見事鎮守府を脱出できたことをここに賞する。 予想より早い達成に驚きを禁じ得ない。 29 ID:xOkl73l3o 鬼怒「ライオン……百獣の王ね!」 ライオン「ガルルルル……」 鬼怒「お、この鬼怒に勝負を仕掛ける気ー?」 ライオン「ガァッ!ゴアァッ!」 鬼怒「がおーーーーーーーーーーーーーー!!」 ライオン「!?」 鬼怒「自然界で重要なのは、体を大きく見せる事。 18 ID:xOkl73l3o ナマケモノ「…………」 朝雲「………………」 ナマケモノ「………………」 朝雲「……………………」 ナマケモノ「……」スッ 朝雲「ッ!」 ナマケモノ「…………」ダラーン 朝雲「動いたー!!」 提督「何してるんだ?」 朝雲「ッ!?な、なんでもないわ。 47 ID:xOkl73l3o 鬼怒「あら朝雲ちゃん、どうしたの?」 朝雲「…………」ブルブル ヘビ「シャー」 鬼怒「苦手ならなんでこのコーナー来たのさ……」 朝雲「大丈夫かなって思ったけど…………ダメだった……」 提督「じゃあ出るぞ。 88 ID:xOkl73l3o 朝雲「はぁぁ……やっぱ小動物は癒されるわぁ~」 提督「俺は動物ならなんでもいけるな。 65 ID:xOkl73l3o 提督「ふぅー楽しかったな!」 朝雲「色んな可愛い動物が見られてよかったわ」 鬼怒「やっぱりカッコイイ動物を見ると心が躍る!」 提督「ああ。 18 ID:xOkl73l3o 提督「ただいまー」 電「おかえりなさいなのです」 提督「いやぁ疲れたよ……あいつら俺を荷物持ちにするんだもん」 電「見事脱出できたようでなによりなのです!」 提督「ああ……1回も変な事は起こらなかった」 提督「そういえば蒼龍はどうなったんだろう……」 電「蒼龍さんなら榛名さんに色々聞かれていましたね……洗いざらい喋ったからか無事みたいですけど」 提督「ならよかった」 電「ただ榛名さんが『何故私が選ばれなかったのか』と残念そうなのでした」 提督「アイツが敵に回ったら勝てる気しないよ……」 提督「あ、これお土産な。 18 ID:xOkl73l3o 電「大切にしますね」ニコッ 提督「おう、そうしてくれ」ナデナデ 提督「だが大本営も心配性だなぁ……わざわざこうして変な指令を送って来るんだから」 電「でも話によると、別の鎮守府では捕まって達成できなかった人もいたそうなのです」 提督「はは、マヌケもいたもんだ」 提督「あ、そういやまた荒潮にお菓子の味見を誘われてたんだ……」 電「電も一緒に行っていいですか?」 提督「いいぞ。 加賀も一緒に作ってるみたいだし、美味しいから期待しとけ」 電「じゃあお姉ちゃん達も呼んでくるのです!」 提督「おーう」 提督「(その後、俺達は荒潮の味見を楽しんだ)」 提督「(何故か食堂には朝雲や鬼怒、蒼龍や榛名も……あとどこからか聞きつけた大和も居て、ささやかなパーティーとなっていた)」 完.

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